春というのは なんだかとても大変なことが起こりつつある、そういう気分にさせられる。
迫り来る生命力に何か答えを出せと迫られているような。
長かった冬をこらえて生命力を噴出する季節。
花が咲く。
それはそれでとても美しいもの。
花を愛でる気持ちは持ち合わせているけれど
百花繚乱、という字面だけで 何か只事じゃないような
そんな騒がしさをも秘めている。
空気が香る。
さまざまな花の香り 瑞々しい若葉の香り
そしてそれに混じって 何か死臭のようなものをも感じ取ってしまう。
寒い季節には、乾き涸れていった屍、ところが春は...。
そうそうあちこちに屍があるとも思えない、
私が嗅いでいるその匂いはなんの匂いだろう。
(娘も「匂う」というけれど それも幻臭だろうか)
まちかどの其処此処で。
春はなんとなく不調になりやすい。
桜は春のなか、愛でる数少ないもの。
春を持ちこたえようと
すぐそばの
ほんの数本の夜桜を
見に行った。
(賑やかで華やかでそして儚い、満天のような桜も見に行きたいけど...)
今年も、乗り越えよう。
なるべくならの平常心で。