右側に傾きがちな私のこころ。
しあわせを量るのは私の左手。
マイナーなことを量るのは手馴れた右手。
だけど
辿り着いたココという場所もほんとうは
捨てたものじゃないんだ。
夜になっても「アノ夫」は「家」に帰ってくることはないんだ。
ガチャリと鍵を開ける音がするやいなや
娘たちは「父親」の機嫌を見定めに、玄関に走ることもないし
(機嫌が悪ければこどもたちの「おかえりなさい」にも返事をすることはなかった)
ご機嫌如何を私にこっそり報告しに来る必要も無い。
(長女が報告する間は、次女が何かと話しかけたりして時間を稼ぐ)
そうこうする間、長男は、「父親」が座るであろう座席の周辺を瞬く間に「片付け」に走る。
それはもう信じられないスピードで。
だけどここにはもう王様 きまぐれな独裁者は居ない。
機嫌が悪いからといって、夜中まで「討論」(というか責めるばかりの演説会)が開かれることもない。
あれからたくさんの距離を歩いて
ときに走って
ここまで、遠い距離を来たけれど 来れたけれど
今、不器用な左手でさえも、その幸せをありがたく量ることができる。